中学生の長女の話。
長女:「授業で七夕にちなんで願いごとを書いてみようっていうのがあって。」
母:「うん(どんな授業??)、なんか書いた?」
長女:「気のおけない友だちがほしいって書いた。やばいヤツ?病んでると思われるかな?」
母:「…いや。いいんじゃない。願いごとだから叶うかもしれんし。」
気の利いた言葉も出てこず、よくわからない返答しかできなかった母です。

長女は、毎朝迎えに来る友だちと登校して行くし、同じ部活には親友と呼び合っている子もいる。
母から見ると、人間関係に悩む要素はなさそうに見えます。
どちらも違うクラスの子だから、クラスの中で気のおけない友だちがいないと思っているのかもしれません。
長女:「いいんだけどね。移動教室一緒にする子はいるし。トイレは最近一人で行くけどね。」
そういえば、中学生女子はトイレも連れだって行っていたなぁと、自分の学生時代を思い出します。
休み時間には他のクラスの仲良しの子たちと過ごす日もあるようですが、あまり頻繁に他のクラスに行くことはプライドが許さないようです。
人目が気になって仕方がない時期ということもあり、クラスの中での自分の立ち位置が気になるのでしょう。
リア充という言葉が象徴するように、いつでも友だちに囲まれて楽しく過ごしていなきゃいけないという風潮は息苦しいよね。
偶然同じクラスになった40名弱の集団で、本当に気の合う友だちができる確率はどのくらいでしょうか。
人間だもの
気の合うやつも合わないやつもいて当然だ~
最近休み時間は本を読んでいるという長女におススメした本。
成瀬は天下を取りに行く
2023年宮島未菜著。2024年本屋大賞受賞。
ベストセラーになっているのは知っていましたが、今年の6月下旬に文庫版が出るのを待ってやっと購入しました。
大津市を舞台にした主人公”成瀬あかり”の中~高校生時代の物語。
自分の心に正直に、我が道を行く成瀬。かなり個性的で浮いた存在で、そんな成瀬に惹かれる(または嫌悪する)周囲の人たちの気持ちも描かれています。
人目を気にせず自由に生きている(ように見える)人に、憧れる気持ちも嫉妬してしまう気持ちも、どちらもわかる気がします。
おあとがよろしいようで
2023年喜多川泰著。
著者の作品では「賢者の書」や「手紙屋」が有名なようですが、わたしはこちらの作品を初めて読みました。
落語研究会との出会いで、大学生の主人公”こたつ”が成長していく物語。
物語の中に、自己啓発や哲学の要素がふんだんに散りばめられています。
わたしには、落語家や写真屋など仕事を通した「個性」の捉え方がわかりやすく、すごく納得できました。
中学生が読んでも響くところがあるんじゃないかな。
自分が苦しくなるほど周りに迎合する必要もないし、人間関係なんて環境によって刻々と変化していくものだから、孤独を感じる瞬間があったとて絶望する必要もない。
ただ、中学校生活も人との出会いも全部一度きりのことだから。
心はオープンにして中学校生活を楽しんでほしいと願っています。
